殺すように、愛して。

 目が覚めて、よかった。生きてて、よかった。俺の生を心から喜んで、泣いてくれるのは、由良だけだ。同時に、俺の死を心から悲しんで、悔やんで、迷いなくついて行こうとするのもまた、由良だけだった。重い敬愛と、重い覚悟。由良の言葉はいつだって、重く響いて、重くのしかかる。軽くあしらうことはできない。できないはずなのに、俺はその重みを知らぬ間に捨て去り、意図せず由良を道連れにしようとしていた。自分のことしか考えていなかった。考えられなかった。俺を慕ってくれる由良のことを、俺は見ていなかった。見ないまま、自分勝手に、衝動的に、死のうとした。挙げ句の果てには、黛に殺してほしいと願った。首を絞めて、殺してほしいと。由良を受け入れ、縋り、背中に手を回すような権利は、今の俺にはないと言えた。

 ごめん、由良。ごめん。ごめん。心配してくれてありがとうよりも、心配かけてごめんの方が、先に口をついて出てしまうのは、少なからず由良に罪悪感を抱いているからだろうか。申し訳ないと思っているからだろうか。涙の理由も、嬉しいとか、安心とか、そんな明るいものではなくて。ただ、悲しくて、苦しくて、自分の身勝手さに嘆いて、どこまでも揺らがない眩しい光のように真っ直ぐな由良に劣等感を覚えて。それで、胸が痛くなる。痛くなって、冷たいのか温かいのかも分からない涙が零れ落ちてしまうのだ。