首輪の上から気道を塞がれ、呻き声が漏れる。それでも、俺の目は濡れていた。熱く、濡れて、濡れていた。情けない、全てを曝け出してしまっているような目のまま黛を見上げて、は、は、ともわもわとした熱気のある吐息で彼を煽ってしまえば、楽しいね、気持ちいいね、と片手で首を絞められながら、もう片方の手で、故障して暴走している下半身を触られ、半開きの唇を奪われた。気が遠くなりそうだった。死にそうだった。死にそうで、死にそうだった。死にそうになりながらも、俺は黛に身を委ね、黛に期待し、黛の手によって与えられる快楽に、苦痛の中にある剥き出しの悦楽に、狂わされ、乱れ、蕩けていた。息ができないことに、気持ちが高揚する。命を握られていることに、ビクビク、ゾクゾク、腰や背中が反応する。自分の本性を、黛に暴かれていくようだった。

 首を絞められて、快楽で責められて、言葉で責められて、それで芽生えるこの異常な多幸感、高揚感、恍惚感は、オメガの発情のせいだと思っていたが、もしかしたら、原因はそれだけではないのかもしれない。

 芽生え始める自身の嗜好に目を向けてしまいそうになる中、まゆずみ、まゆずみ、まゆずみ、と狂い切った自分の中の自分に、俺に触れ続けて乱れさせる黛に、思考を犯される。犯されて、壊される。壊されて、堕とされる。まゆずみ。まゆずみ。まゆずみ。瀬那。もっとして。もっとみたして。もっとあいして。可愛いね。