それまでは落ち着いていたはずの情緒が、突如として振り子のように不安定に揺れ動き始めた。安心して気を抜いていたところを思い切り突かれてしまったかのようで。心臓が震える。そこから全身に振動していく。呼吸も浅くなった。喉が詰まるような苦しさすら覚え、そろそろと首に触れると、キャパオーバーしていたためにそこまで気が回らず、完全に外し忘れていた首輪の感触を指先が捉えた。途端に焦燥感を覚え、両親に余計な不興を買わないためにも、急いで外さなければ、という衝動に突き動かされる。見られたら面倒だ。大変だ。外さないと。外さなければ。
焦りながら首輪に手をかけたが、その手が震えて上手く力も入らず、早々に自棄を起こしそうになった。慌てれば慌てるほどに空回りしていく。そう難しくはない作りのはずなのに、あれ、あれ、外れない、外れない、と手こずっていれば、横からスッと手が伸びて、外すよ、と事情を理解してくれているであろう由良が俺の首輪に触れた。その際、指先同士が掠り、思わず肩が揺れ、咄嗟に両手を首輪から、由良から退けてしまう。項を隠すものを隔てて俺に接触していた手を、条件反射の如く僅かに離して空気を触った由良は、家に帰ってきてから初めてぶつかった俺の目を見て、申し訳なさそうに眉尻を下げた。
「ごめん、驚かせた……」
「ううん、大丈夫。なんか、俺、全然、首輪、外せないから、ごめん、このまま、外して」
焦りながら首輪に手をかけたが、その手が震えて上手く力も入らず、早々に自棄を起こしそうになった。慌てれば慌てるほどに空回りしていく。そう難しくはない作りのはずなのに、あれ、あれ、外れない、外れない、と手こずっていれば、横からスッと手が伸びて、外すよ、と事情を理解してくれているであろう由良が俺の首輪に触れた。その際、指先同士が掠り、思わず肩が揺れ、咄嗟に両手を首輪から、由良から退けてしまう。項を隠すものを隔てて俺に接触していた手を、条件反射の如く僅かに離して空気を触った由良は、家に帰ってきてから初めてぶつかった俺の目を見て、申し訳なさそうに眉尻を下げた。
「ごめん、驚かせた……」
「ううん、大丈夫。なんか、俺、全然、首輪、外せないから、ごめん、このまま、外して」



