あやかし学校

その表情には強い憎悪が滲んでいて、僕の口からはか細い悲鳴が漏れ出た。


女子生徒は地面についた手で器用にこちらへ近づいてくる。


動く度にズッズッと体を引きずる音がして、血の筋ができていく。


「よくも……私の仲間たちを……」


仲間?


なんのこと言っているんだろう?


けれど恐怖でなにも考えることができない。


ふいに脳裏に浮かんできたのは昨日見た本の内容だった。


学校にいると言われている幽霊で、下半身のないものがいる。


それはテケテケという名前で全国的に知られていて、つかまれば両足を取られるとか、なんとか。


必死に思い出した内容はそんな感じだ。


対処法も書いてあったかもしれないが、全然思い出すことができない。


更におもだしたのは悪い情報で、テケテケは持続100キロで追いかけてくることだった。


そんなの、逃げられるわけがない。


僕の両足はガタガタと震えて立っているのがやっとだ。


「仲間を返せぇ!」