普段から幽霊を見ている僕なら、絵を見るくらい平気だと思って気軽に引き受けてしまったけれど、早くも後悔しはじめていた。


イラストは今にも本の中から飛び出してきて僕に襲いかかってきそう見える。


「まだまだページ数もある……」


妖怪本はけっこう分厚くて辞典くらいはあるかもしれない。


持った感じもずっしりと重たい。


今からでも断ろうかと思ったが、ふと座敷わらしも載っているかもしれないと思い至った。


唯一自分が出会ったことのある有名な怪異について、調べてみるのもいいかもしれない。


そう思い、僕はまたページをめくり始めたのだった。