僕の声はかすかに震えて怯えをはらんでいる。


それでもそっと右手を伸ばして雪に触れた瞬間、目が覚めた。


ハッと息を飲んで目をさますと、そこは見慣れた自分の部屋だった。


昨日は学校から戻ってきてそのまま眠ってしまい、お風呂にも入っていないことを思い出す。


枕元の時計を確認してみると朝の5時で、まだ十分余裕があることがわかって大きく息を吐き出した。


ベッドの上に上半身を起こして自分の右手がやけに冷たい事に気がついた。


まるで、本当に雪に触れてきたような感覚が残っている。


「まさかな」


僕は小さくつぶやき、右手をギュッと握りしめたのだった。