僕はゴクリとツバを飲み込んでゆっくりとカンバスへ近づいていく。
心臓が早鐘を打ち、今にも爆発してしまいそうだ。
「こ、浩司、大丈夫か?」
「あ、あぁ」
頷いたものの本当は確認なんてしたくない。
祐太郎の絵ができあがるまで、知らん顔していたかった。
それでもそうしなかったのは、このままでは祐太郎の絵が完成しないからだ。
カンバスの前まで移動してきた僕は大きく深呼吸をして、そっと手を伸ばした。
カンバスに触れた瞬間冷気が指先を伝って体中に行き渡る感覚がした。
ゾクリと身震いをして一瞬カンバスから指を離す。
いる……!
この寒気はもう間違いようのないものだった。
部室に入ったときはどうってことはなかったから、僕たちより後に現れたのだろう。
もう1度手を伸ばし、カンバスにふれる。
どうにか寒気を我慢して、一気にカンバスを引っ張り出した。
ざっざっざっ。
瞬間、開放されたように筆の音が鳴り響く。
心臓が早鐘を打ち、今にも爆発してしまいそうだ。
「こ、浩司、大丈夫か?」
「あ、あぁ」
頷いたものの本当は確認なんてしたくない。
祐太郎の絵ができあがるまで、知らん顔していたかった。
それでもそうしなかったのは、このままでは祐太郎の絵が完成しないからだ。
カンバスの前まで移動してきた僕は大きく深呼吸をして、そっと手を伸ばした。
カンバスに触れた瞬間冷気が指先を伝って体中に行き渡る感覚がした。
ゾクリと身震いをして一瞬カンバスから指を離す。
いる……!
この寒気はもう間違いようのないものだった。
部室に入ったときはどうってことはなかったから、僕たちより後に現れたのだろう。
もう1度手を伸ばし、カンバスにふれる。
どうにか寒気を我慢して、一気にカンバスを引っ張り出した。
ざっざっざっ。
瞬間、開放されたように筆の音が鳴り響く。



