☆☆☆

なんだあれなんだあれなんだあれ!?


校舎から飛び出して寒気が収まってからも早足で家へと急ぐ。


今までも学校内で怪異に出くわすことは何度もあった。


だけど今回みたいに強く人間に絡みついてくるようなことはなかったし、基本的には見て見ぬ振りをすることができていた。


座敷わらしに背中に覆いかぶさられたときの感覚を思い出し、強い身震いをする。


それに、金子と銀太だ。


問題はあのふたり。


一応僕を助けてくれたことにはなるんだろうけれど、いきなり現れてひょうたんが大きくなって、座敷わらしが吸い込まれて……。


もう、なにがなんだからわからない!


家に到着すると大急ぎで玄関を上がり、手も洗わずに洗面所へと駆け込んだ。


怪異に触れられた体を一刻も早く清めたい。


シャワーの水が温もるのを待つ暇もなく、僕はボディーソープを手に取ったのだった。