「……！！」


悲鳴が喉の奥に張り付いて声にならない。


ひゅーっひゅーっと何度も息を吐き出して、それでも吸い込むことができなくて苦しくなってくる。


女の子がゆっくりとこちらへ振り向く。


その顔は異常なほどに青白く、大きな目がギョロリと回る。


ああああ！！


心の中で悲鳴を上げて床を這いずるようにして出口へと向かう。


少女をずっと見ていることも怖いけれど、少女に背を向けて逃げることも怖い。


今にも背中にのしかかって襲ってくるんじゃないかという恐怖が全身に絡みついて離れない。


それでもどうにか出口までやってきたとき、ふわりと冷気が覆いかぶさっきた。


ギクリとして体の動きが止まる。


来ている。


今すぐ後ろにさっきの少女がいる！


出口はすぐ目の前なのに、僕の体は金縛りにあったように完全に動かなくなってしまった。


少し手を伸ばせば廊下に続くドアを開くことができるのに……！


冷気に包まれて体がガタガタと震えて、歯の根が噛み合わなくなる。


それくらいの寒気を感じているのに関わらず、冷や汗が額を流れていく。