ずっしりと重たい体を引きずりながら教室へ入ると、ふたごはすでに登校してきていた。


「おはよう! 西村くん!」


金子が元気いっぱいに駆け寄ってきて、その後を銀太がついてくる。


「おはよう、ふたりとも」


僕はいつもどおり自分の席に座ってそのまま突っ伏してしまう。


幽霊たちは僕が登校してくるのを今か今かと待っていて、来ると同時に絡みついてくる。


だから朝一の学校が一番キツイ時間帯だった。


「どうしたの、顔色が悪いけど」


「なんでもない、大丈夫だから」


「朝ごはん食ったのか? 食べないともたないぞ?」


銀太がニュッと手の拳を突き出してきたのでなにかと思えば、パッと開かれた手のひらには銀杏の実が握られていた。


「それ、そのままじゃ食べられないから」


「え、そうなのか?」