あやかし学校

「はいっ! 僕の隣が空いています!」


金子と銀太が目を見交わせてほほえみ合う。


「そうだな。じゃあ、そこで」


右側に金子。


左側に銀太が座る。


「これからよろしくな、西村」


「よろしくね、西村くん」


左右から声をかけられて、僕はそれぞれに挨拶をする。


そういえば教科書がないんだっけ、見せてあげないと。


それに、今日の放課後は学校案内もある。


これから忙しくなりそうだ。


「そういえば俺、吹奏楽部に入ろうと思うんだ」


「え?」


驚いて銀太を見つめると「一緒に入らないか? きっと、ふたりなら楽しいと思うんだけど」と、誘われた。


僕はひとりでピアノをひくのが好きだった。


だけど、銀太とふたりで演奏する。


それもいいかもしれない。