あやかし学校

「金子、大丈夫か?」


僕は立ち上がることもできず、ふたりに声をかけることしかできない。


銀太は必死でひょうたんを抱え、重たいものを持ち上げるときのように引きつった表情を浮かべている。


「ダメかもしれない」


金子が小さな声で呟いた。


え……?


金子の体がふらりと揺れて、その場に座り込む。


「どうしたんだよ!?」


明らかに様子のおかしいふたりに、声をかけることしかできないのがもどかしい。


どうにかはいずって金子の近くまで移動して、その手を握りしめた。


金子の手は冷たく、そして小刻みに震えていた。


「今の私達にテケテケは無理かもしれない」


「どういうこと?」


「実はね……」


金子の説明によると、ひょうたんを使えば使う度に自分たちの力は弱くなっているらしい。


元々ただのキツネで、变化して金角銀角になっているだけだからだ。


变化でひょうたんの中に閉じ込めておくことができる妖怪の数、力は知れている。


「そんな大切なこと、どうして言わなかったんだよ!」