あやかし学校

「やっと思い出したか」


そんな声がして視線を向けると、茶色いしっぽがみえた。


でもそれは幻覚で、立っていたのは金子と銀太のふたりだった。


銀太は小脇にひょうたんを抱えている。


「ふ、ふたりとも、なんで……!?」


飛びかけていた意識が鮮明になる。


目の前の光景は夢じゃない。


「教室に戻ってこないから心配して来ちゃった」


金子はなんでもないように言う。


「でも、僕はあんなひどいことを言ったのに……」


「だからなに? そんなの関係ないし。私達が西村くんを助けたいと思ったから、来たの!」


金子の言葉に胸の奥が熱くなる。


こんなときなのに、死にそうな状況なのに涙が滲んできてしまう。


「ごめん! ふたりとも、妖怪だなんて言ってごめん!」