ふと痛みを感じて意識が覚醒する。
だけどもう夢の内容を忘れることはなかった。
あの日雪の中で出会ったキツネのこと。
2匹のキツネがお別れの挨拶に来てくれたこと。
「ぐ……うっ……」
うめき声をあげてどうにか視線を自分の下半身へと向けると、目の前にテケテケの牙があった。
牙は今にも僕の喉を噛みちぎってしまいそうな場所にある。
「ひぃ!!」
咄嗟のところで首を曲げて逃げた瞬間、テケテケが口を閉じてガキンッ! と金属的な音が鳴り響いた。
一歩遅ければ僕の首は噛みちぎられていたはずだ。
恐怖で口から意味不明の声を漏らしながら、僕はほふく前進のような進み方で逃げ始めた。
少しでも遠くに逃げないと、少しでもテケテケと距離を置かないと。
けれどテケテケはノロノロと逃げ始めた僕を見てまた笑い声をあげた。
だけどもう夢の内容を忘れることはなかった。
あの日雪の中で出会ったキツネのこと。
2匹のキツネがお別れの挨拶に来てくれたこと。
「ぐ……うっ……」
うめき声をあげてどうにか視線を自分の下半身へと向けると、目の前にテケテケの牙があった。
牙は今にも僕の喉を噛みちぎってしまいそうな場所にある。
「ひぃ!!」
咄嗟のところで首を曲げて逃げた瞬間、テケテケが口を閉じてガキンッ! と金属的な音が鳴り響いた。
一歩遅ければ僕の首は噛みちぎられていたはずだ。
恐怖で口から意味不明の声を漏らしながら、僕はほふく前進のような進み方で逃げ始めた。
少しでも遠くに逃げないと、少しでもテケテケと距離を置かないと。
けれどテケテケはノロノロと逃げ始めた僕を見てまた笑い声をあげた。



