幽霊がいるときとは違う、血が体から抜けていく寒気だ。
僕はどうにかテケテケを振り払おうと、手足を動かす。
僕の手がテケテケの頭に振れた。
怪異に触れたのはこれが初めてだったが、触れた頭部は恐ろしいほどに冷たくてすぐに引っ込めてしまった。
テケテケはまた広角を上げて笑い声を上げる。
それなのに牙は僕の太ももに突き刺さったままで、決して離すまいとしがみついている。
徐々に体温が失われていくのを感じ、体が重たくなってきた。
動きが怠慢になり視界がボヤけてくる。
気がつけば僕は目を閉じていた。
目を閉じて、夢を見ていた。
それは雪の中のあの夢の続きで、すっかり忘れていた記憶。
僕はモゴモゴと動く雪に手をのばす。
見ているのは茶色い毛。
犬が雪に埋もれて動けなくなってしまったんだと思い込んで、手袋をはめた手で周りの雪をどかしはじめた。
雪の塊は想像よりも重たくて結構時間がかかったことを思い出した。
僕はどうにかテケテケを振り払おうと、手足を動かす。
僕の手がテケテケの頭に振れた。
怪異に触れたのはこれが初めてだったが、触れた頭部は恐ろしいほどに冷たくてすぐに引っ込めてしまった。
テケテケはまた広角を上げて笑い声を上げる。
それなのに牙は僕の太ももに突き刺さったままで、決して離すまいとしがみついている。
徐々に体温が失われていくのを感じ、体が重たくなってきた。
動きが怠慢になり視界がボヤけてくる。
気がつけば僕は目を閉じていた。
目を閉じて、夢を見ていた。
それは雪の中のあの夢の続きで、すっかり忘れていた記憶。
僕はモゴモゴと動く雪に手をのばす。
見ているのは茶色い毛。
犬が雪に埋もれて動けなくなってしまったんだと思い込んで、手袋をはめた手で周りの雪をどかしはじめた。
雪の塊は想像よりも重たくて結構時間がかかったことを思い出した。



