あやかし学校

咄嗟に逃げ出そうとするが、やはり動きが早い。


次の瞬間には僕の脇腹に大きな違和感があった。


「……え?」


痛みはなかった。


まるで全身が麻痺してしまっているようだ。


それでも血は流れ出し、コンクリートにシミを作っていく。


自分の身になにが起こったのか確認するため、ゆっくりと視線を下げる。


テケテケさんが、僕の太ももに噛み付いていた。


牙を剥き、肉に深く深く突き刺している。


テケテケさんの口は僕に血で更に真っ赤に染まり、唾液と血が混じった液体が溢れ落ちている。


「う……あぁぁぁ!!」


叫び声は弱々しく、誰にも届かない。


もうとっくに次の授業は始まっているし、誰も僕を探しには来ない。


寒気がした。