「ふんっ。『お下がり令嬢』が夕食を?信じられるか」
「兄上っ、いいかげんにして下さい」

 両脇それぞれ十人ずつ座れる長テーブルの側で立って待っていると、廊下の向こうの方から将軍とロランの会話がきこえてきた。

 思わず、小さく溜め息をついてしまった。

 何が「お下がり令嬢」よ。「ひきこもり王子」に言われたくないわ。