「調理兵長、じつは……」

 ロランが事情を説明してくれた。

「これは、驚いた」

 すべてきき終えた調理兵長は、大きいけれどやさしい顔に驚きの表情を浮かべた。

「あの……。そういうわけで、将軍閣下の食事はわたしが作りたいのです。食材を分けてもらえないでしょうか?」
「妃殿下。それならば、わたしが作りますよ。将軍閣下の好みの味付けはよくわかっています。閣下に料理を教えたのは、わたしですから」
「ほんとうですか?」