「そうなのか?まぁそれはいいとしても、身の振り方はかんがえた方がいいな。軍を擁していることもある。オデール国が一番に討ちたくなるのは、クロード。きみとロランだ。生き残りの王子が二人ということになれば、ぜったいに見逃してはくれない」

 お兄様は、馬上で王都のある方向を見つめた。

 それから、わたしへと視線を落とした。

「リン……。先程の話だが……。いや、いい。もはやわたしは、おまえにとって仇でしかない。そのわたしがなにを言っても、きいてはくれないだろうから」

 わたしが口を開くよりもはやく、馬首が王都のある方向へ向けられた。