「シュエット、もういい。攻撃するな。彼らを操るのもなしだ」

 シュエットにも面倒くさい矜持はないみたい。

 少年は、剣を構えていないクロードとロランにいまにも飛びかかりそうな体勢になっている。

 そう命じられた少年は、ハッとしたようにお兄様を見た。

 よく見ると、すっごく可愛らしい。

 シュエットというからには、フクロウよね?

 だから、鳥のようにけわしい目をしているのかしら。

「それに、どうして邪魔をした。ダメじゃないか」

 お兄様に叱られ、少年は肩を落としてうつむいている。

 かわいそうに……。