「ああ、なるほど。それで閉まっているはずの扉や窓が開いているのね。納得したわ」
「リン、緊張をほぐしてくれて礼を言うよ。「そこ」、じゃないだろう?」
「どういたしまして。わたしにとったら「そこ」、なのよ。だって、ここでだれがいるのかウジウジかんがえていても、なにも思いつかないわ。それとも、あなたはそういうスキルでも持っているわけ?すべてを見通す神みたいなスキルを?」
「そんなわけないだろう?ったく、ああいえばこういうしこういえばああ言うし」
「おあいにく様。あなたには負けるわ。さあ、行きましょう。行って、だれがいるのか確かめてみましょうよ」
「おい、押すなよ」