「お姉様が?」
「王族は暗殺されたり行方不明、というよりかは王宮を逃げだしたりしている。残っていて生きている王族は、オデール国軍に捕らえられるだろう。その後は……」

 そう言ったクロードを、思わず見てしまった。

 彼の美貌に浮かんでいるのは、何とも表現のしようのない表情。

 彼は途中で言葉を止めてしまったけれど、続きは容易に想像出来る。

 オデール国によって、王都で反乱が起こった。民衆が求めているのは、まぎれもなく王族の死。

 捕まった王族は、民衆の前にひきずりだされて斬首されてしまう。