でも、それでも私はもう一度、あなたの隣に戻りたいと思った。


「お母さん」
「いつも見守ってくれて、支えてくれて、傍にいてくれて、ありがとう。私、自分の足で生きていく。ちゃんと自分の未来を生きる」

 お母さんはその言葉に安心したように頷く。
 そうして私の涙を拭うと、もう一度抱きしめて囁いた。

「いってらっしゃい、友里恵」
「いってきます、お母さん」

 そうして私は小瓶の蓋を開けて、ゆっくりと飲んだ──


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【ちょっと一言コーナー】
少し悲しくなってしまったかもしれません。
それでも母の強さと娘の幸せを願う気持ちが友里恵ちゃんに届いたように思います。


【次回予告】

次回、最終話『時を超えて、再び』。