我ながらなんとなく直球すぎたな、と反省したが、彼の反応を見る限り当たっていたらしい。
 ユリウス様は窓の外を少し見ながら私から視線を逸らすと、目を何度かパチパチしてがばっと私の両手を取り上げた。

「え……」
「私と、街に出かけないか?」

 顔を少し赤らめながら、ユリウス様は私にそう告げる。
 もしかして、これは、デートのお誘いというやつでは……?
 私は久々にユリウス様と過ごせることにとても嬉しくなって満面の笑みで返事をした。



「いらっしゃい、坊ちゃん」
「だから、坊ちゃんは……」
「ふふ、可愛い」
「ユリエ!」

 もう顔なじみになってしまったカフェの店主と目を合わせて笑いあう。
 いつまでも「坊ちゃん」と呼ばれることに、ユリウス様だけものすごく居心地が悪そうにしていた。
 先日も飲んだ紅茶を飲みながら、テラスでゆっくりと過ごす。

「また君を連れて来られてよかった」
「はい、私もユリウス様と一緒にまた来ることができて嬉しいです」

 ちょうど昼食時だったため、サンドウィッチを頼んだ私はそれをほおばる。
 新鮮な野菜がたくさん入っていて、心地よい食感に口が包まれた。