ずっと心を蝕んでいた痛みが、嘘かのように消え失せていった。




 人を好きになって、愛し愛される事を拒絶し、諦めていた私は、鍵を掛けていた本当の自分を解き放つ。








「お前流石に既婚者には手を出すなよな。」





 元カレ優磨の前で、嫉妬剥き出しで威嚇する姿は、実に愉快だった。




 私の往生際の悪さで、この男を振り回し、心の片隅では逃げた事を後悔する様に涙を流すのだ。






 駄目な私でも好きだと言う、この馬鹿な男に、再び愛されたいだなんて.....





 私は.....






 きっと自分の気持ちに、嘘を吐き続けてきた。