「優磨、ヤバい。私殺されるかも!!」

「えっ!?なんで....」



 さっきまでの緩まった雰囲気は、何処へやら。


 何か危機を悟った杏の表情が、焦りを魅せる。

 だけど、その理由を知った時、俺は心底安心する出来た。







「杏、てめぇ!!.....また浮気しやがって!!」




 雪国として有名な、こんなど田舎に、白い雪に混じっても主張が激しい黒い男。


 いや、肌が黒いとかって意味じゃ無いけれど、なんて目立つ容姿なんだろうか....。そんな事を思う。

 俺の手から離れた杏は、そいつがお前の今の男って訳か....。



「杏が何度別の男の場所に行こうとも、俺は何度だって阻止する。そして絶対にお前を連れ戻す。」


 
 俺が心配するまでも無く、元カノは次へと進んでいた。