こう見えて、私は歌には自信があった。

だから、罰ゲームが懸かった勝負でも、安定して高得点を叩き出した。

その点数は、93点。

べらぼうに高い訳じゃないけど、決して低い訳じゃない。

5人中最下位になる点数ではなかった。

一回戦は、無事に勝利。

罰ゲームは、変顔をして写真を撮る、というものだった。

これは大盛り上がりで、罰ゲームを受けた側もゲラゲラ笑っていた。

二回戦も、私は無事に勝利。

罰ゲームを免れた。

二回戦の罰ゲームは、ドリンクバーのドリンクを全種類混ぜたものを飲み干す、というもの。

それも大盛り上がりだった。

コップ一杯の色んな匂いのするドリンクを、最下位の人が飲んだ。

でも、あまりの不味さに飲み切れなくて、勘弁してくれと言っていた。

私達も一口もらったけど、凄い味だった。

結局コップの半分も飲まず、そのまま放置して三回戦が始まった。

三回戦も、私は勝利した。

しかも私が一位だったので、罰ゲームの決定権は私がもらった。

ドリンクバーの罰ゲームで盛り上がっていたので、私はコーラの一気飲みを提案した。

カラオケの無料ドリンクバーの、中途半端に炭酸の抜けたコーラを、最下位の人が飲み干した。

これも大盛り上がりで、私達はスマホでムービーを撮りながら大笑いしていた。

四回戦も私が優勝して、私が罰ゲームの決定権をもらった。

調子に乗った私は、このカラオケルームで一番辛いと評判の激辛ポテトを注文し。

そのポテトを、水を飲まずに食べきる、という罰ゲームを課した。

これも盛り上がったけれど、気の毒なことに、そのとき罰ゲームを受けていた最下位の友達は辛いものが苦手だったようで。

口から火を吹かんばかりに、涙目でひーひー言いながら食べていた。

その様子がまたおかしくて、私達は大笑いだった。

結局三分の一くらい最下位の人が食べて、残りは私達が数本ずつ摘んで、予想以上に辛過ぎたので、あとはそのまま残した。

そして、最終勝負となった五回戦。

これが私の後の運命の分かれ目となった。

勿論そのときは、全くそんな自覚なんてなかったのだけど…。

友達とカラオケに行って遊ぶ、そんなありきたりなことで、自分の運命が変わるなんて。

どうして、そんなことが予測出来るだろう?