「朝からランニングなんかして、結月君は何を目指してるの…?」
「え、な、何も目指してはいませんけど…」
「もう、陸上部入ったら?長距離走で活躍出来るわよ、きっと」
部活にも入ってないのに、自主的に毎日、早朝ランニングしてるなんて。
陸上部の顧問からしたら、喉から手が出るほどの逸材でしょうに。
「そんな…。僕なんて、まだまだですよ」
謙遜するし…。
「そういえば、短距離も速かったっけ…」
もやしっぽく見える割には、運動神経良いのよね、結月君って。
人は見かけに寄らないって、あれは本当なのね。
「ついでに、凄く握力も強いんだっけ?」
「え?」
思い出す。あのクリスマスイブの日。
別れのときのアレが印象的過ぎて、忘れかけてたけど。
あのとき私、確か変な人に絡まれたのよね。
結月君が、あっという間に撃退してくれたんだっけ。
あのとき確か、凄い握力でお兄さんの手を掴んでなかった?
「握力いくらあるの?結月君って」
「握力ですか?えーと…いくらだったかな…」
「ほら、春に体力測定するとき、握力の項目あったでしょ?」
私の握力は、精々20キロ台前半だったけど。
結月君はどれくらいあるんだろう。
50キロとか?凄いよね。
「あぁ、あのときは確か…70半ばくらいあったかな…?」
まさかの、私の4倍近く。
「…ごめん、やっぱり、もう一回訂正して良い?」
「な、何をですか?」
「君の前世。やっぱりゴリラだわ」
「ごっ…。そ、それは…嬉しくないんですが…」
だって、ゴリラもかくやという握力じゃないの。
「りんご潰せるんじゃないの?」
「え、何でそんな勿体ないことを?」
比喩よ、比喩。
本当に潰せとは言ってないわ。
「でも、僕なんてまだまだですよ」
「何処がよ?」
「だって、僕の師匠は多分もっと…」
…師匠?
って何よ?
何だか、知れば知るほど、結月君に関する謎が深まっていく気がするわ。
「あ、それより着きましたよ」
なんて言ってる間に、目的のゲームセンターに到着。
行きつけって訳じゃないけど、真菜達とゲーセンで遊ぶときは、いつもここを利用している。
「よし、じゃあ行きましょうか」
「…僕達、不良に見られてませんよね…?」
「…大丈夫よ…」
君は、本当に…ゲームセンターを何だと思ってるのよ。
「え、な、何も目指してはいませんけど…」
「もう、陸上部入ったら?長距離走で活躍出来るわよ、きっと」
部活にも入ってないのに、自主的に毎日、早朝ランニングしてるなんて。
陸上部の顧問からしたら、喉から手が出るほどの逸材でしょうに。
「そんな…。僕なんて、まだまだですよ」
謙遜するし…。
「そういえば、短距離も速かったっけ…」
もやしっぽく見える割には、運動神経良いのよね、結月君って。
人は見かけに寄らないって、あれは本当なのね。
「ついでに、凄く握力も強いんだっけ?」
「え?」
思い出す。あのクリスマスイブの日。
別れのときのアレが印象的過ぎて、忘れかけてたけど。
あのとき私、確か変な人に絡まれたのよね。
結月君が、あっという間に撃退してくれたんだっけ。
あのとき確か、凄い握力でお兄さんの手を掴んでなかった?
「握力いくらあるの?結月君って」
「握力ですか?えーと…いくらだったかな…」
「ほら、春に体力測定するとき、握力の項目あったでしょ?」
私の握力は、精々20キロ台前半だったけど。
結月君はどれくらいあるんだろう。
50キロとか?凄いよね。
「あぁ、あのときは確か…70半ばくらいあったかな…?」
まさかの、私の4倍近く。
「…ごめん、やっぱり、もう一回訂正して良い?」
「な、何をですか?」
「君の前世。やっぱりゴリラだわ」
「ごっ…。そ、それは…嬉しくないんですが…」
だって、ゴリラもかくやという握力じゃないの。
「りんご潰せるんじゃないの?」
「え、何でそんな勿体ないことを?」
比喩よ、比喩。
本当に潰せとは言ってないわ。
「でも、僕なんてまだまだですよ」
「何処がよ?」
「だって、僕の師匠は多分もっと…」
…師匠?
って何よ?
何だか、知れば知るほど、結月君に関する謎が深まっていく気がするわ。
「あ、それより着きましたよ」
なんて言ってる間に、目的のゲームセンターに到着。
行きつけって訳じゃないけど、真菜達とゲーセンで遊ぶときは、いつもここを利用している。
「よし、じゃあ行きましょうか」
「…僕達、不良に見られてませんよね…?」
「…大丈夫よ…」
君は、本当に…ゲームセンターを何だと思ってるのよ。


