「買い物だけでも、結月君は苦労してるのね」
「苦労なんて…そんな大袈裟な。ただの買い物でしょう?」
ただの買い物で、こんなに疲れるとは思ってなかったわ。
「結月君といると…ただのスーパーでの買い物でも、新鮮な体験になるわ…」
「そ、そんな…。僕の買い物って、そんなにエンターテイメントに満ちてますか…?」
エンターテイメントと言うか、混沌に満ちてたわ。
…ともあれ、これで明日のお弁当の材料は揃ったし。
「明日も頑張って早起きしなきゃ…」
「一体、いつまで続けるんですか?お弁当作り…」
そうね。考えてなかったけど…。
「とりあえず、満足するまではやろうと思ってるけど…」
「そうですか…。…三日坊主にならないと良いですね」
「…」
…結月君って、あれよね。
結構毒舌よね。
これが彼の素なのかもしれない。
ってことは、これまでは猫被ったってこと?
まぁ、あんまり人のこと言えないけど…。
「毎日じゃなくても、週に何回かだけ、って決めたらどうですか?いきなり毎日はしんどいでしょうから」
「そうね…」
「ましてや星野さんは、これまでちっともお弁当作りどころか、料理の経験もない訳ですから」
…そうね。
そうだけど、でも言い方ってものがあるでしょ。
それから。
「…ねぇ、さっきから気になってたんだけど」
「はい?」
「その、星野さんって呼び方はどうにかならないの?」
ただのクラスメイトって訳じゃないんだから。
他人行儀にも程があるでしょ。
「え、でも…」
「もっと、親しみを込めた呼び方をして欲しいわね」
「親しみですか…。じゃあ、また星ちゃんさん…?」
「さんは付けなくて良いでしょ…」
星ちゃんさん、もだいぶおかしいでしょ。
「彼氏なんだから、遠慮なく下の名前で呼んで良いのよ」
「え、僕彼氏なんですか?」
この人、色々と認識がおかしいでしょ。
え?もしかして、私が一方的に付き合ってるつもりなだけだったの?
「…私達、付き合ってるんじゃないの?」
結月君は何?友達か何かのつもりだったの?
「つ、つきあっ…あぁ、はい…。彼氏ですか。彼氏彼氏…。ってことは星ちゃんさんは、彼女ってことなんですか…?」
「いちいち首を傾げなくても、そうよ」
「…おぉ…」
何を感心してるのよ…。
自覚なかったの?
「それと、星ちゃんさんもやめて。彼氏なんだから、もっと親しみを込めた呼び名で呼んで」
「し、親しみですか…。例えば…?」
「普通に下の名前で…呼び捨てにして良いのよ」
「下の名前って…確か唯華さんでしたよね…」
そうよ。
覚えていたようで何より。
「遠慮なく、呼び捨てにして頂戴」
「え、いや…。唯華…いや、それはちょっとハードルが高いって言うか…」
何を恥ずかしがってるのよ…。
高校生にもなって、ウブなんだから。
「苦労なんて…そんな大袈裟な。ただの買い物でしょう?」
ただの買い物で、こんなに疲れるとは思ってなかったわ。
「結月君といると…ただのスーパーでの買い物でも、新鮮な体験になるわ…」
「そ、そんな…。僕の買い物って、そんなにエンターテイメントに満ちてますか…?」
エンターテイメントと言うか、混沌に満ちてたわ。
…ともあれ、これで明日のお弁当の材料は揃ったし。
「明日も頑張って早起きしなきゃ…」
「一体、いつまで続けるんですか?お弁当作り…」
そうね。考えてなかったけど…。
「とりあえず、満足するまではやろうと思ってるけど…」
「そうですか…。…三日坊主にならないと良いですね」
「…」
…結月君って、あれよね。
結構毒舌よね。
これが彼の素なのかもしれない。
ってことは、これまでは猫被ったってこと?
まぁ、あんまり人のこと言えないけど…。
「毎日じゃなくても、週に何回かだけ、って決めたらどうですか?いきなり毎日はしんどいでしょうから」
「そうね…」
「ましてや星野さんは、これまでちっともお弁当作りどころか、料理の経験もない訳ですから」
…そうね。
そうだけど、でも言い方ってものがあるでしょ。
それから。
「…ねぇ、さっきから気になってたんだけど」
「はい?」
「その、星野さんって呼び方はどうにかならないの?」
ただのクラスメイトって訳じゃないんだから。
他人行儀にも程があるでしょ。
「え、でも…」
「もっと、親しみを込めた呼び方をして欲しいわね」
「親しみですか…。じゃあ、また星ちゃんさん…?」
「さんは付けなくて良いでしょ…」
星ちゃんさん、もだいぶおかしいでしょ。
「彼氏なんだから、遠慮なく下の名前で呼んで良いのよ」
「え、僕彼氏なんですか?」
この人、色々と認識がおかしいでしょ。
え?もしかして、私が一方的に付き合ってるつもりなだけだったの?
「…私達、付き合ってるんじゃないの?」
結月君は何?友達か何かのつもりだったの?
「つ、つきあっ…あぁ、はい…。彼氏ですか。彼氏彼氏…。ってことは星ちゃんさんは、彼女ってことなんですか…?」
「いちいち首を傾げなくても、そうよ」
「…おぉ…」
何を感心してるのよ…。
自覚なかったの?
「それと、星ちゃんさんもやめて。彼氏なんだから、もっと親しみを込めた呼び名で呼んで」
「し、親しみですか…。例えば…?」
「普通に下の名前で…呼び捨てにして良いのよ」
「下の名前って…確か唯華さんでしたよね…」
そうよ。
覚えていたようで何より。
「遠慮なく、呼び捨てにして頂戴」
「え、いや…。唯華…いや、それはちょっとハードルが高いって言うか…」
何を恥ずかしがってるのよ…。
高校生にもなって、ウブなんだから。


