…二人きりになって。
「あ、あの、結月君…」
「いや、危なかったですね…。柄の悪いのがいたものです」
と、結月君は事も無げに言った。
そ、そんな涼しい顔して…。
「ご、ごめんね、助けてもらっちゃって…」
あんな、いかにも柄の悪い人に立ち向かうなんて。
結月君だって怖かったでしょうに。
自分の危険を意に介さず、私を助ける為に、間に入ってくれた。
他の人みたいに、見て見ぬ振りをすることも出来たのに。
「いえ、大したことはしてませんよ」
結月君は何事もなかったかのように、そう言って微笑んだ。
…そんな…。
これから…別れ話をしようとしてるのに。
そんな顔しないでよ…。
…。
「…結月君って、喧嘩強かったりするの?」
「え?いや…。…。…握力が強いだけですよ」
…その、長い沈黙は何?
握力が強いだけで、あんなことって出来るんだろうか…?
握力の弱い私には、さっぱり分からないけど。
またしても…最後の最後で…結月君の意外な一面を見つけてしまって。
この後の別れ話が、また気が重くなった。
それでも、私は言わなければならない。
「あ、あの、結月君…」
「いや、危なかったですね…。柄の悪いのがいたものです」
と、結月君は事も無げに言った。
そ、そんな涼しい顔して…。
「ご、ごめんね、助けてもらっちゃって…」
あんな、いかにも柄の悪い人に立ち向かうなんて。
結月君だって怖かったでしょうに。
自分の危険を意に介さず、私を助ける為に、間に入ってくれた。
他の人みたいに、見て見ぬ振りをすることも出来たのに。
「いえ、大したことはしてませんよ」
結月君は何事もなかったかのように、そう言って微笑んだ。
…そんな…。
これから…別れ話をしようとしてるのに。
そんな顔しないでよ…。
…。
「…結月君って、喧嘩強かったりするの?」
「え?いや…。…。…握力が強いだけですよ」
…その、長い沈黙は何?
握力が強いだけで、あんなことって出来るんだろうか…?
握力の弱い私には、さっぱり分からないけど。
またしても…最後の最後で…結月君の意外な一面を見つけてしまって。
この後の別れ話が、また気が重くなった。
それでも、私は言わなければならない。


