―――――――…何だか、不思議な感覚だった。
学校で、調理実習があるのは毎年のことだけど。
こんなに…何て言うか、働かされたのは初めてだった。
いつもなら、グループの人達に任せて、自分は言われたことしかやらなかったもんな。
その方が角が立たなくて良いと思ってた。
それがどうだ、今年は。
なんか、物凄くこき使われた気がする。
でもまぁ悪い気はしない。
自分の得意なことで、役に立てたからだろうか。
悪目立ちしているだけのような…そんな気がしなくもなかったが。
それでも、誰かに頼られるというのは悪い気分ではない。
それを実感した。
…その日。
「…何か良いことがあった?」
「え?」
夕食のとき、母に唐突に聞かれて、僕は箸を動かす手を止めた。
学校で、調理実習があるのは毎年のことだけど。
こんなに…何て言うか、働かされたのは初めてだった。
いつもなら、グループの人達に任せて、自分は言われたことしかやらなかったもんな。
その方が角が立たなくて良いと思ってた。
それがどうだ、今年は。
なんか、物凄くこき使われた気がする。
でもまぁ悪い気はしない。
自分の得意なことで、役に立てたからだろうか。
悪目立ちしているだけのような…そんな気がしなくもなかったが。
それでも、誰かに頼られるというのは悪い気分ではない。
それを実感した。
…その日。
「…何か良いことがあった?」
「え?」
夕食のとき、母に唐突に聞かれて、僕は箸を動かす手を止めた。