俺が知らない世界に居た二条 花。
気付いたら君の瞳に映りたい一心で、君を追いかける事に必死になっていた。
どうしたら君が、俺を受け入れてくれるのか。
追えば追う程、露わとなっていく花の様々な姿は、君の名前の通り、色彩上がやかな花が咲き誇る。
読書が大好きな花は、俺に見られている事にも気付かずに喜色満面。
付き纏う俺に向けられた仏頂面と、俺を出し抜いた際のしたり顔。
対話が得意ではない花は、常に憂い顔を浮かべて、その終わりを待ち望んでいる。
何か失敗した際は愁然として、それでも負けじと挑む下膨れした花の姿。
好きなもを目の前にしては、いきいきとし....。
尼顔の下には、色々な表情が隠れていた。
知れば知る程、追い求めてしまう。
『バカね。』と必死な俺の事を笑って欲しかった。
俺に向けられることのない、その無垢な笑顔が欲しくなった。
「好きだよ。」俺の告白に照れて、赤面する花を見たかった。
全部、全部....俺の一方的な愛。どんなに怒っていても君が好き。
それは最初で最後。一生を共にしたいとまで想わせた尊い存在。
俺と花の物語は、まだまだ続くのだ。
今は中間地点?いいや、まだ始まりに過ぎない。
「....俺が選んだ女は、妻だけなんです。」
(これからも....この先も....。)



