冷徹パイロットは極秘の契約妻を容赦ない愛でとろとろにする


あれから仕事に没頭し、サンフランシスコ空港の到着時間が迫ってきた。
ビジネスクラスで食事の提供を終え、ドリンクサービスを順番に行っていく。

「お客様、アイスコーヒーのお替りはいかがでしょうか」
「ああ頼む、何も入れなくていい」

そう答えた男性は、昨日対応した態度の悪い男性だ。
昨晩の男性の態度はひどかった。
お酒を大量に飲み、これ以上提供をできないと伝えたクルーに怒鳴り散らし、落ち着かせるのも一苦労だったのだ。

(このサービスが終われば、後は着陸を待つだけ)

「お待たせいたしました」

コーヒーを慎重に注ぎ終わり、紙コップを受け渡す直前。
私の背後で通路を通ろうとした男性がぶつかってきて、心臓が跳ね上がった。

「きゃっ……!」

液体が床に散らばったのを見た直後、強い力で腕を捻り上げられた。

「おいお前っ、俺の大事な腕時計にかかったじゃないか! なんてことしてくれたんだ!!」