僅かな振動を感じながら困惑していると、肌に触れる空気が冷たくなった。
私の部屋に到着したらしい。
駆さんの体温がゆっくりと離れていく。
そっと寝かされるようにしてベッドに置かれた後、彼はフワフワの掛け布団を体にかけてくれた。
「安奈、おやすみ」
(おやすみなさい、駆さん)
複雑な気持ちなのに、静まり返った部屋に響く彼の低音に、胸がときめく。
――しかし、すぐにベッドのスプリングが沈み、熱い体温が迫ってきた。
(え?)
甘い香水の香りと共に、やわらかい感触を唇に感じる。
しっとりと離れていった後、再び軽く重なってきた。
(え、ええええええええ!?)
驚きのあまり目を開けると、ほんの十センチ足らずの場所に彼の綺麗な顔がある。
「か、駆さん?」
「……っ、起きてたのか?」
「は、はい……えーと……今、起きちゃって」
彼の視線が絡み、心臓がはち切れそうなほど大きな音を立てている。
金縛りになったように動けないでいると、突然逞しい腕が、私の体を躊躇いもなくギューッと力強く抱きしめた。
「か、駆さん?」

