案の定親父には怒鳴られた。
間宮の名を汚すなと……。口止めしてこいって。
ただ、彼女は朝のことを言う気配はなく寧ろ、近づかないでオーラを放っていた。
「莉斗、結衣が気になるのか?」
「なんで?」
昼休み、彼女の幼なじみでもある宮前悠に問われた。
ちなみに悠は、俺が組の人間ってことは知ってる。一緒に遊んだ時に巻き込んだ。
「結衣のことずっと見てっから。あいつ鈍感だからなぁ。近くにいてもなかなか気づかねーよ?」
「へぇ。……別に気になってないけど…僕のこと避けてるような気がするんだよね。」
「あいつは人の感情を読み取るのが上手いからな。恋愛事はさっぱりだけどな。分かっているんじゃねーか?お前があんまり人と関わりを持ちたくないこと。」
「ふーん。」
「でも、莉斗。あいつは、俺にとって大切な奴だ。困らせんなよ。」
ごめん、悠…。もう、困らせてるし、巻き込んでるんだよな。
でも……他の奴らから狙われない為にほ、あの方法しかないか。
「それにしても…今日のあいつ様子が変だなぁ。」
悠が心配そうに彼女を見ている横で、俺は、彼女をどうやって呼び出そうか考えていた。