莉斗side



「傷1つつけるなよ。丁重に扱え。」




「は、はい。」




意識を失った彼女を部下に引き渡す。



正直に言ってすごく驚いている。

こんなに活発な奴だとは思っていなかった。


白咲 結衣。''俺''に近づかない珍しいやつの1人。恋愛とかそういったものにあんまり興味を示さないし、少し距離を感じる印象だった。



それと、日本最大組織の間宮組という秘密を、見透かされてるようなそんな雰囲気も持ち合わせている、中々見ない珍しい奴。ただそれだけだった。





あの日朝から仕事があった。その後学校ってこともあって、適当な場所でやってしまったのが事の始まりだ。






「え?」





「あ。え、何もみてませんっ!!!」





ミルクティー色の髪を靡かせ…走り去っていく彼女。








「やべぇ。」





殺しの現場を見られた。







「若、追いますか?」





「いや、良い。」





どうせ、学校で捕まえられる。カタギの人間を殺るつもりは無いけど、見られたとなったら話が違ってくる。




「親父に連絡する。お前らは帰れ。絶対何もすんなよ。」




「は、はい!」





その現場にいた数名に指示を出し、親父に連絡した。