「お兄さん達、僕になんか用?」




間宮くんはワザと人通りの少ない道に入り、囲んできたお兄さん達に言葉を発した。それはもう、いつもの可愛い感じではないし、昨日の私に対する雰囲気のさらに上をいった、本当に震え上がるようなそんな雰囲気だ。




顔のイカついお兄さん達が怯えているのが目に見ててわかる。私に向けられていないけど、恐ろしくて1歩も動けないもん。




「間宮 莉斗…。女連れて、仲良く登校か?あ''ぁ?!」





「てめぇ、良くもうちの取引を……」




お兄さん達も負けじと言葉を発するが、思った以上に間宮くんの顔が怖いのか言葉に詰まっている。



そんな顔学校でしたら、七不思議の一つにでもなりそうだな。なんで呑気に思っていると突然腕を引っ張られた。




「わっ!!」





「こ、この女がどうなっても知らねーぞ!!」





いかつい大人にがっしりとホールドされる。




一気に身体中の熱が冷める。





「あぁ、別にいいですよ。僕に関係ないですし」




真っ黒い笑顔で冷たくそう言い放つ間宮くん。





その瞬間私の中で何かがキレた。





お前のせいで巻き込まれてんだろ!何とかしろよ!!






恐怖より怒りがかってしまった私。





「…ざけんなよ!!!!……あっ。」





気づいた時にはもう遅い。解放はされたが、見事にクリーンヒットした私のパンチ。鼻から血を流して気絶している大人。




「こ、この女…強ぇぇ。どこの組のもんだ?!」





私ヤクザじゃないです。ただの一般人です。





昔ちょっと不良やってただけです。若気の至りってやつ。





さっきとは違う意味で青くなるのが分かる。




そして更なる追い討ちをかけられた。





「あぁ、彼女、僕の婚約者ですから。言動には気をつけてくださいね。」






「「はぁぁぁ?!!」」




驚く私と大人たち。




そして、艶やかな笑みを魅せる間宮くん





私はいつから君の婚約者になったんですか?!