好きよりも、キスをして



妙な一体感が生まれた私たち。

緋色のいる教室はこれで最後だというのに、緋色が生き生きしている事が、私にはとても嬉しかった。

まるで水を得た魚のように、緋色の心が飛び跳ねている。そんな感じに思えてならない。



「おい、ちょっと何勝手に連絡先を交換しようとしてんの!ってか、いつ俺のスマホ取ったの!?」

「(勝手にじゃない。机の上に転がってたぞ)」

「沼田くんも交換したそうに見えた、だって」

「それ本当に静之が言ってる!?異訳してない!?」



沼田くんの反応が良くて、私と緋色は何度も笑ってしまう。


そして、最初で最後の大笑いを教室に刻み付けた静之緋色は、自分らしく、自分の道を歩むために。



今日、私たちの教室からいなくなったのだった。