『(この夢は、朱音がいなくちゃ見つけられなかった。そもそも朱色とか緋色とか。色なんて調べようと思わなかった。
お前と会ったから、色の違いを知ることが出来たんだ。それに、俺ならコイツの魅力を表現できるのにって、デザイナーを目指す事もなかった)』
『コイツの魅力?』
『(お前だよ。お前は芯が強い。忍耐力にも逆境にも耐える精神力がある。
俺は夢の中でお前の強さを知った。のに、お前がそれを封じ込めて寡黙を貫いていたあの頃……もどかしかった。
お前にはお前の良さがあるのに。代わりに俺が自慢したいって、何度も思った)』
『そ、そうなんだ……っ』
照れてる私に、コツンと頭を寄せる緋色。頑なに顔を見せようとしない。耳を見ると、赤く染まっている。
「ははん」すぐに私は勘付いてしまった。
「自分で言ってて照れた?」と聞くと、僅かに頭が上下に動いた。どうやら珍しく語ってしまったらしく、我に返った途端に恥ずかしくなったみたいだ。
そんな緋色を見て、私はクツクツと笑いが漏れる。



