好きよりも、キスをして




「パーソナルカラー診断とか、ああいうのか」

「そうそう!よく知ってるね、すごいや沼田くん」

「でも、色の資格をとって、それからどうすんだよ。狭き道だろ」

「あ~うん。それは本人も言ってた」



緋色と沼田くんが話をすれば、さぞ弾んだのじゃないかと思うほど。沼田くんは達観した物の見方をしていた。私よりも豊富な知識だ。


だけど、それは緋色も同じで。


昨日の夕方。


たくさんの事を、私に話してくれたのだ――



『(朱色や緋色を調べてたらさ、色の違いが面白く思えたんだ。どうせ知識をつけるならって、資格を目指す事にしたんだ。

それで、将来は、その資格を活かしてデザイナーになる。在宅勤務可能な会社があるだろうし、やり取りもメールで出来るしな。喋れない俺にピッタリだろ)』



目をキラキラさせながら話す緋色が、カッコいいのに、なぜだかすごく遠い存在に思えた。

やっと隣同士で歩けるのに……と、自分の中の小さな僻みと、嫉妬と、焦りが、私の純粋な恋心の邪魔をする。


緋色を好きでいたいだけなのに――


また、私たちの間に障害物が出来るのかと、すごく不安になった。


その時だった。