好きよりも、キスをして



文章は、そこで途切れて終わっていた。

一旦ここまで読んでもらいたいという思いなのか、ここから先を打つ自信が無かったのか――


その両方に思えて、私は緋色のスマホを借りて、そのまま続きを打った。



『(でも……緋色。私は前、言ったよね?緋色が笑顔だと私も笑顔になれるって。それと同じで、辛い顔をした緋色を見ると、私も辛くなる。

だから、緋色が緋色でいられる場所にいてほしい。緋色には幸せになってほしい。そうしたら、私も絶対に幸せになれるから)』



スマホの画面を緋色に見せると、緋色は目を見開いた。そして少しだけ、目を潤ませた。

その時の緋色には、夕日があたっていて……。夕日の当たった緋色の瞳が、キラキラ光っていた。

それはまるで、希望に満ち溢れて、輝いている緋色そのものに見えて。緋色の道は、ここにあるのだと、私は思った。


そして同時に、確信した。