震えが止まらない。色んな事に対する怒りで、体中が振動している。
枝垂坂に対する怒り。
見たことない元カレへの怒り。
素直になれない自分への怒り。
好き勝手言ってくれる沼田への怒り。
素直になった所でどうしようもない怒り。
怒りを何度浄化しても、こうやって俺の中ですぐに怒りが湧く。温泉のように湧いて出てくる。
しかも、それが熱くて仕方ない。その熱い温度が、俺の脳を麻痺させていく。
そして、隙が出来た俺の心に、俺の本心が囁く。
「お前の思った通りにしてみろよ」って。
「(出来るワケねーだろ、そんなこと……っ)」
自分の好きな女が、自分の手で守れない時の絶望を想像してみろ。背中から悪寒が走る。手も足も震える。動けなくなる。立ち止まる。そして、また自覚させられる。
俺は無力なんだと――



