【完】溺愛×運命論

「おおお〜!」

「返事はウェイだ」

「ウェ〜イ!」

盛り上がっている同級生たちとは対照的に、絶望の表情をしている彼。

どうしよう……運命の人に出会えると思って、期待して今日を迎えたけど……。

彼の方は、そうじゃなかったみたいだっ……。



「ありえない……こんな制度あっていいわけないだろ……」

部屋に戻ってくるや否や、彼は顔を真っ青にして頭を抱えていた。

「やけに試験とは関係ない質問とか、心理テストが多かったのはそういうことだったのかよ……」

「あ、あの、ひとまずお名前を伺ってもよろしいでしょうか……」

「……汐」

苗字かな?名前は教えたくないってことかもしれない。