【完】溺愛×運命論

「選ぶのは我が社の社員達。決められたペアの変更や棄権ももちろん可能だが、私達はより多くの真実のカップルがデステニーによって生まれることを願っているよ」

学園長たちは手を握り合って、「学生の頃、運命の恋をし結婚した私達のようにね」とうっとりとした表情で言った。

運命の恋……素敵……。

「選ばれた2人は卒業と同時に入籍。そしてこの社長の座についてもらう!」

これが、この学園が一攫千金婚校と呼ばれる理由だ。

ほとんどの人は、次期社長になることが目的で、この学園に入学してきたんだと思う。

だけど、私は——たったひとりの運命の人と出会うために、この学園に来たんだ。

「さぁ若者達よ!大いに青春してくれ!」