「もともと、俺は社長の座目当てで入学したし、運命の恋とか信じてなかったから。適当にパートナー変更するか、普通科に行くかどうしようかなって考えてた」
奏多くんも、私と同じ悩みを持っていたなんて……。
「そんな時に……教室で眠ってる愛ちゃんを見つけたんだ。眠り姫みたいだって思って……一目惚れした」
え?
一目惚れ? ……私に?
「優しいところとか、いつも明るいところとか……知れば知るほど惹かれていって……俺の運命の人は、本当は愛ちゃんなんじゃないかって、勝手に思ってたんだ」
冗談だよって笑ってくれると思ったけど、奏多くんの表情は真剣そのもので、ごくりと息を飲んだ。
「そうだって、思いたい」
本気で、言ってくれてるんだ……。
「汐と上手く行っているなら、愛ちゃんの幸せを願って見守っていこうって思ってた。でも……今の話を聞いたら、もう黙っていられない」


