いつだって俺のことを考えて、俺が嫌がることはしないように気を配ってくれているのも知ってる。

俺が気を使わないように優しい言い回しをしてくれることも、ペアとして大事に扱ってくれていることも……十分すぎるほど伝わっていた。

「今日だって、永遠くんに迷惑かけっぱなし……」

おばけ屋敷のことを言っているのか、申し訳なさそうに俯いている愛。

「ごめんね永遠くん……ペアが私みたいなやつで……」

どこまでバカなんだろう。

俺は愛に……感謝してんのに。

パートナーがお前じゃなきゃ……きっと今頃退学してる。

「謝らなくていい。……ほら」

俺は可哀想なくらい震えている手に、自分の手を重ねた。

「少しくらい……マシになるだろ」

さっきまで温かかった愛の手は、今は少しだけ冷たい。

高いところが苦手なくせに、俺を喜ばせようと思って頑張ってくれた愛を、いじらしく思った。

「うん……! だけど、永遠くんは大丈夫?」

あーもう……また人の心配。

「大丈夫って言ってるだろ」

本当に、お前なら平気なんだよ。