ほんとに変なやつだな……。

愛の笑顔を直視できなくて視線を逸らした時、観覧車が目に入った。

「観覧車……好き?」

別に観覧車がってわけじゃなくて、昔から高いところにいるのが好きだった。

風が気持ちいいし、落ち着くし……観覧車は風は感じられないけど。

「最後に乗ろっか!」

愛が俺の手を引いて、観覧車の方に走って行った。

すぐに案内されて、ゴンドラに乗る。

「ここなら手は繋いでなくてもバレないね!」

俺の隣に座って、ゆっくりと手を離した愛。

温もりがなくなって、一気に体温が冷えていくような感覚に襲われる。