「ここなら他の客にも見えないだろ」

どうしてこんなにも、優しいんだろう……。

こんなふうに手を握るの、嫌なはずなのに……。

「ありがとう、永遠くん……」

永遠くんの気遣いが嬉しくて、恐怖心がすっと消えていく。

最初、永遠くんと出会った時……本当はすごく悲しくて、残念だったんだ。運命の人には出会えなかったんだって。

だけど今は……少しずつ永遠くんのことを知っていくたびに、永遠くんと出会えてよかったって思ってる。

運命じゃなかったとしても……この出会いはきっと、意味があるものだって思いたい。

私が落ち着くまでの間、永遠くんはずっと手を握ってくれていた。