いわゆるお姫様抱っこの体勢で私を抱えて、歩きだした永遠くん。

「掴まってろ」

「で、でも……」

永遠くん、女子が苦手だって言ってるのにこんなに触れたら……。

「でもじゃない。大人しくしろ」

ところどころから聞こえる悲鳴が、少しずつ遠ざかっていく。

永遠くんは進行ルートとは少しだけ離れた、小さな隙間のような場所に私をゆっくりと降ろしてくれた。

「……別に、愛と手つないでたから気分悪かったわけじゃない。人混みに酔ってただけ。それに……勝手にうろちょろされる方が心配だから、繋いでろって」

手をぎゅっとつなぎながら、そう言ってくれる永遠くん。

その温もりと優しさに、ドキッと心臓が大きく高鳴った。