まさに、絵本の中から出て来た王子様そのものだった。

この人が……私の運命の人?

「あ?何勝手に入って来てんの?」

「え?」

まるで不審者を見るような目で、私を見ているその人。

えっと……。

これは、ど、どういうこと?

「ここ、俺の部屋なんだけど」

「あの、相部屋の水月愛です」

ひとまず自己紹介をと思ったけど、彼の顔はますます険しくなった。

「は?お前何言ってんの?」

ど、どうして怒っているんだろうっ……。

「男と女が相部屋なわけないだろ」

ちょっと待って……。

この学園に入る人は、当然のように知ってる。この学園ではペアで、同じ寮部屋で過ごすって。